鬼女たちのくすぐり奴隷

第2話 屈服くすぐり調教

膝立ちでバンザイの格好のまま四肢を固定され動けない俺の下腹部を、 目の前の鬼女はさわさわと細長い指で撫で回した。

先程とは違う優しく狂おしいくすぐりを与えてくる。

両腕を下げる事もできず膝立ちを強いられ奥歯を噛み締めて何とか笑いをこらえた俺は、 舐め回すような彼女の指のくすぐったい刺激から意識を逸らそうとした。

「くぅ…っ……っがぁっ」

俺は顔を歪めて拘束された身体を右に左によじって何とか耐えようとする。

彼女はそんな俺の反応を見て探るように、優しくくすぐる指を再び脇腹に戻す。

「どこをくすぐられるのが一番弱いのか、今から隈なく調べ上げてあげる。」

遊ぶ時間はたっぷりある。そう言いたげだ。

彼女は俺の肋骨の間を、親指と人差し指の二本でくりくりと揉みほぐし始めた。

先ほどとは違ったくすぐったさに俺の身体が跳ね、口から荒い息が漏れる。

たった4本の指が俺に笑いを強いてくる。

我ながらなんて無様な姿なのか。

くすぐる動きは止めぬまま、彼女の手は芋虫のように俺の両側面を這い登っていき、やがて脇の下に近付いた。

(脇の下はやめてくれ……!)

脇の下をくすぐられる、と直感的に思った俺は思わず身体をこわばらせる。

すると俺の両側をくすぐる彼女の指が脇の下は通り過ぎて、二の腕をコチョコチョとくすぐり始めたのだ。

拍子抜けだがさっきの動きとは打って変わり、二の腕の表面を撫でる様に細かくこちょこちょと動かすくすぐり方に、ひっ、と高い声をあげてしまう。

顔から汗が噴き出るのを感じつつ、俺は小さな笑いを口の中で必死で嚙み殺した。

そんな反応の一つ一つを楽しむ様に、鬼女は愛撫ともくすぐりともつかない弱い刺激で俺を焦らしてくる。

いいように弄ばれている。

女のくすぐる手はさらに上がっていき、俺の肘に到達すると思わせておいて、いきなり脇の下に触れた。

「なっ!?」 「本当はここが弱いのでしょう?」

反射的に脇を閉めようと腕に力が入る。

もちろん固く拘束された両腕は高く上げられたまま、脇の下はがら空きのまま抵抗などできない。

俺の警戒に反して、激しいくすぐりは無かった。

脇の下に手を入れた彼女は、人差し指一本で脇の下をこそこそ、とほじくり始めたのだ。 激しいくすぐりではない

ないのだが、この責め苦は後からじわりじわりと効いてきた。

脇の下の中央の一点のみをいつまでも指一本でこそぐられ、最初は耐えられていた俺だが、じきに居てもたってもいられなくなる。

「しばらくはずっとこのままよ。」 耐え難い痛痒感。 笑いこそ出ないものの、同じ所ばかりを延々と一本の指で優しくひっかかくようにくすぐられ、気が狂いそうになってくる。 せめて他の部分もくすぐってくれと思う。

「ひっ・・・・がっ・・やっ・・・めろっ・・・この・・・!」 荒い息を吐き脂汗を流しながら必死で脇を閉じようとするが、勿論両腕はバンザイのまま虚しくビクビクと震えるだけだ。 同時に隣からは爆発したような笑い声が聞こえてきた。

俺と一緒につかまった青年だ。 見れば彼は俺以上に残酷な仕打ちを受けていた。

両手足をベッドにがっちりと固定されたまま、4人もの鬼女に身体のあらゆる箇所をくすぐられまくっている彼には羞恥を感じる余裕などない。

ひたすらに笑い悶えながら無防備な身体を無数の指でこちょこちょと蹂躙され、眉をしかめて涙目になりながら爆笑し、必死に救済と制止を求める声を上げ続けている。

だがそんな彼に鬼女たちは一片の慈悲もかける様子を見せない。

「ははっ、すごい力で抵抗してるじゃないか。身体をびくびく震わせちゃって。そんなに苦しいのかい?でも人間の力じゃこれは外れないよ。どこをどんな風にくすぐられてもアンタは抗う事なんてできない。」

しゃがみこんで彼の足裏を両手で丹念にくすぐる鬼女は、 細長い指を蜘蛛のようにこちょこちょと動かし様々なくすぐり方を試しては彼の反応を楽しんでいた。

拘束から逃れられぬまま足首から先を無意味にジタバタと動かす彼をあざ笑う様に、 土踏まずやかかと、つま先や足の甲などを容赦なくくすぐり続ける。

両手を使って左右の足裏をめちゃくちゃにくすぐり彼を悶絶させたかと思うと、片方の足に狙いをつけてはつま先を片手で無理やり押さえつけて反らし、敏感な土踏まずが露わになった所をもう一方の手でこちょこちょと長時間くすぐり続ける。

飽きてくると足の指の間をこそぐってみたり、足の甲と足裏を交互にくすぐっては、何とかそこから逃れようとくねくねと涙ぐましい抵抗を試みる彼のつま先に滑稽なダンスを強要し翻弄し続けた。

「序盤の準備運動にしちゃあ活きが良い反応じゃない。よっぽどくすぐったくてたまらないのね。」

彼の脚にまたがって下半身のあちこちをくすぐっている鬼女が言う。 彼女は両手を使って彼の太ももをさわさわとくすぐりながら、その手をゆっくりと上に移動させて今度は脚の付け根を小刻みにくすぐる。

青年の叫び声がより大きくなったのを見てとると、弱点を見つけたとばかりにしばらく脚の付け根を集中的にこちょこちょとくすぐったり揉み解したりしている。 そこからさらにそそり立つ股間に手を触れると思わせておいて意地悪く周辺をくすぐり責める。

男性の弱点とも言える性感帯を加減無しにくすぐられるのだからたまらないだろう。

強制的に大股開きにさせられ動く事もできない彼の内股の表面を指が踊る様に蠢き、腰骨をさわさわと撫でくすぐり、また太ももを両手で抱きしめ包み込む様にして満遍なくくすぐる。 垂直に立った股間は脈打ち、汁がしたたり落ちていたがそこには何も触れられる事がない。

「ほーら、こちょこちょこちょ、苦しいでしょう?」

「あなたは私たちのオモチャなんだから、これだけの為に生かされてるのよ。しっかり仕事に励みなさい。」

彼の両側には2人の鬼女が立ち、彼の顔を覗き込みながら脇の下や脇腹をくすぐっていた。

彼の両腕は頭上に真っ直ぐ伸ばされたまま何本ものベルトで固定され、容赦なく脇の下をくすぐられるたまらないくすぐったさから逃れようにも実際はビクビクと痙攣を繰り返すのみ。

その反応を楽しみながら2人の鬼女は時に優しく、時に激しく緩急をつけながら脇の下をこちょこちょとくすぐり、彼の意思など一切省みる事なく気の向くままに脇腹をくりくりと揉み解す。

2人は時折連携を取り合って同時に左右の脇の下を集中的に激しく責めたり、かと思うと片方の鬼女は激しく脇腹をくすぐる傍でもう片方の鬼女はやさしく身体の側面を指でつつつと撫でたり舌を使って脇の下を舐めくすぐったりして、左右で別々の刺激を与える事で彼を混乱させ、決して慣れさせない。

容赦ない無慈悲なくすぐり地獄。

40本の指により絶対に耐えられない刺激を無防備な五体に強制的に送り込まれた彼は、抗う事も許されず壊れた玩具のように涙を流し笑い狂い悶え狂っている。

他人の心配をしている余裕は俺にも無かった。 先程から延々と続く続く脇の下への一本指くすぐりは確実に俺の精神を追い込み蝕んでいたのだ。

「ひっ・・・がぁぁ!っ・・・くふっ」

俺の脇の下を延々とくすぐり責め続けている女の顔は無表情のまま俺から目を離す事なく、脇の下の中央の一点だけを人差し指でこそこそとほじくり続けている。

「うくっ・・はぁっ・・やめ・・・やめっ・・ろおおおぉぉ!」

彼女からは何の反応もなく、責めも終わる気配を見せない。

このまま永遠に続くのだろうか。

俺は恐ろしくなってきた。

これ以上脇の下の一点を集中的にくすぐられるのは限界だと理性が、本能が、全身が訴えてくる。

「くうぅっ、やめろおおおぉおっ・・・うくっ・・・くふっ・・・」

もう我慢などできない。

どこにも行き場のないむずむずとした痛痒を、何とか発散させようと拘束された手足をめちゃくちゃに引っ張り上半身をねじる。

が、どうにもならず無情にも蓄積されていくくすぐったい苦悶と精神的苦痛。

狂ってしまいそうだ。

これが拷問でなくて何だと言うのか。

無駄だと知りつつこの地獄を少しでも忘れる為に、最終的には大声を上げる事で何かを外に発散しようと叫びを上げる。

「やめろおおおおぉぉっ!やっ・・・やめっ、やめて・・・」

延々と脇の下を責めながらそれまで無言、無表情だった女の目の色が変わった。

これを待っていたとでもいうような顔で頬を紅潮させている。

「くひいいいいい、頼む、やめて・・やめてくれ!」

言ってからしまったと思っても遅い。

口から発する言葉が命令から懇願へと変わった事が、彼女の中の何かに火を点けたらしい。

くすぐる手を休める事なく、彼女が口を開く。

「口の利き方がなっていないんじゃないの?」

何を言われているのか解らなかった。

思考する余裕もない混乱の嵐のなか最初に生まれた感情は、これまで言葉も交渉も通じない物言わぬ冷たい拷問機械と化していた彼女がようやく返事してくれた事に対する安堵。

俺の言葉を聞き入れてくれるかも知れない。

何でもするから今すぐこの過酷なくすぐりを終わらせて欲しい。

それに縋ろうとしてしまった自分に対し危険信号が頭の中で鳴っていたが、その間にも脇の下への無慈悲な責めはひたすら続けられている。

 

悔やむ暇もなく苦悶に顔を歪めながら歯を食いしばるが自分の口から情けない声が漏れるのを俺は止められない。

もう何も考えられなかった。 隣からは仲間の青年の悲痛な笑い声と懇願が聞こえてきた。

「ひゃぁっはっはははは!お願い、やめて、やめてくださいいいいい!」

すでに涙声になりながらも笑い続ける事を強要された彼は、ただただ同じ言葉を繰り返すだけの人形と化していた。

「ひひひひいいいいいっ、やめてください!やめてください!ぎゃっはっはああああぁあ!」

目の前の女がじっとこちらを見つめてくる。

「お願いをするときは、どう言えばいいのかしら?」

わずかな逡巡の後、俺は脂汗を流す顔を歪め震えながら口を開いた。

青年と同じ言葉を口にする。

「ああっ・・・ふくっ・・やめて・・・くうううっ・くださいっ・・・」

自分の言った言葉に屈辱を感じながらも、抗えぬくすぐったさに俺は形振り構わなくなっていた。

はやく、はやくこの拷問を終わらせて欲しい。 彼女は意地悪く、俺の言葉を吟味するふりをして焦らしてくる。

「やめて欲しいの?そうね・・・なら、やめる代わりに脇の下を思いっきりこちょこちょしてあげましょうか?」

一瞬耳を疑ったが、俺は彼女の提示してくる選択肢に飛びつくしか無かった。

この苦しく狂ってしまいそうな責めから今すぐに開放して欲しい。

これなら脇の下を激しくくすぐられた方がマシだ。

 

「いい!それでいいから!」

「それでいい?・・・随分と上からの物言いね。私は別にこのまま続けても構わないのよ?」

 

この上まだ俺を追い込もうというのか。

もうお遊びに付き合わされるのはうんざりなんだ。

はやく、はやく終わらせてほしいのだ。

だが依然俺を狂わせる悪魔の刺激が、耐え難いくすぐったさが、俺から逃避という選択肢を奪って鬼女の意地悪な問いの前に無理やり引き戻す。

「お願いだから・・・お願いします・・・わ、脇の下を激しくくすぐって下さい!くうううう、もう・・・脇の下を思い切りこちょこちょしてください!」

半ばやけくそになった俺は、なりふり構わず気力を振り絞って言い尽くすと、ようやく彼女が指の動きを止めてくれた。

「はぁっ、はぁっ・・・」

永遠に思われた地獄の時間が終わりを告げた。

つかの間の安息。

息を整える猶予を与えられ苦しみから開放された俺は、先ほどの自分の情けない言葉を思い出して、今更ながら憎むべき敵に屈してしまった事への後悔と屈辱に苛まれる。

だが本当の意味で自分の言葉を後悔したのは次の瞬間だ。

「それじゃあ覚悟はいいわね。」

彼女が再び俺の脇の下に手を差し込み、激しくくすぐり始めた時だった。

「ふぎいいいいいいっ、ちょっ、待っ、ひゃめっ、んぎぃ!」

先ほどとは比べ物にならないくすぐったさが俺を襲ったのだ。

鬼女は先程とは打って変わって明らかに喜悦と愉悦を顔に浮かべて指を踊らせるように動かし、がら空きの脇の下をこちょこちょとかき回してくる。

「発狂しないよう、せいぜい気を強く持つ事ね。」

堪えきれず奇声のような笑いを上げる俺の耳元で、こちょこちょとささやきながら執拗に脇の下をくすぐり続ける鬼女。

激しくくすぐられた方がマシだなんて大きな間違いだ。

これこそが本物の地獄だとたった今理解させられる。

俺は無駄だと知りつつ必死で脇の下を閉じようと両手に力を込めるが、そんな俺を嘲笑するように彼女は閉じる事のできない脇の下をくすぐる指をさらに激しく、いやらしく動かして俺を笑いの渦に引き摺り込もうとする。

俺は必死で笑いをこらえるべく懸命に歯を食いしばった。

我慢できるとは思えなかったがそれでも本能が訴えていたのだ。

この刺激に一度身を委ねてしまったらまずい、二度と戻って来られないと。

意地悪な指は俺の脇の下を激しくこちょこちょとくすぐり声にならない悲鳴を出させたかと思うと、時折り思い出した様に脇の下のくぼみをつんつんと突いてみたり気紛れに優しくさわさわとくすぐってくる。

とっくに疲弊しきった身体がそれでも様々な方向から予想外の悩ましい刺激を与えられビクビクと跳ねるのを観察した後、予告なしに激しいくすぐりを再開し、今度は嫌というほど長時間責め続けてきた。

決して俺をくすぐりに慣れさせないつもりか。

限界が来るのは早かった。

これ以上腋の下くすぐられる事には耐えられない、そう俺が思い始めた頃、

「準備運動はこんなものね。じゃあここから本格的にいくわよ。」

耳を疑うような言葉を彼女の口から聞いた。

そして始まった、脇の下へ加えられる絶技。

十本の指が変幻自在に踊り回りる凶悪なくすぐったさは、今まで必死の思いで耐えていた俺の我慢の限界などいとも簡単に突破した。

「ふふふふふ、そうよ、遠慮せずにたっぷり笑いなさい。」

彼女の言葉に応えるように、俺はかつてなく盛大な爆笑を迸らせた。

肺から全ての空気が吐き出されてしまったかの様な笑いに呼吸もままならない。

自分の口から出たとは思えない程のけたたましい声で周囲の音も聞こえない。

今までが天国だったと思える程の壮絶なくすぐったさが左右から襲いかかり、肺の内側で膨れ上がって爆発的な笑いへと変わる

俺はもう訳もわからず縛られた腕を引きちぎらんばかりに暴れようとするが、実際はただ自由にならない身を小刻みに震わせ涙目で笑い続けるのみだ。

一旦笑い地獄に陥ってしまうと、もう笑うのを止められない。

息をつく事も抵抗する事もできない俺は、ただただ耐え難い刺激を受け入れて悶絶していた。

「その程度の苦しみ方ならまだ頑張れそうね。そう簡単には終わらないわよ。」

意味不明な姿勢に身体を折り曲げ、叫ぶような笑いを口から漏らしながら、俺は必死に、静止、懇願、哀願、怒号、罵倒、あらゆる言葉をぶつけた。

だが目の前にいる彼女には通じない。

それどころか俺からさらなる笑いを引き出そうと腋の下のくぼみの中で指は踊り続ける。

くすぐったいという感情に支配されて、もう他の事などまともに考えられなかった。

どうしてこんなに苦しまなくてはいけないのか、何故いつまでたっても失神できないのか、一体何が起こっているのか----

 

パンッ、と気付けに頰を張られ、手放しかけた意識が戻ってくる。

辛うじて気絶しなった、否、気絶させて貰えなかったのだ。

永遠にも思える長時間の凄まじいくすぐりの末、俺はいつの間にか白目を剥き泡のような涎を口の端から垂らしていた。

俺の精神力の限界を見て取ったのか、いつの間にかくすぐりは止んでいる。 終わった、終わったのか。

だがしばらくは余韻すらもが全身を支配して、俺は両手を縛る拘束具に体重を預けピクピクと震えたまま、何も考える事が出来なかった。

F/Mくすぐり定食